ผู้ที่ได้รับซะกาต
⑧ザカー(浄財)の使い道
● ザカーを受給する資格のある者:
ザカーを受給することの出来る8種の者は、崇高なるアッラーの次の御言葉の中で言及されています:-ザカー(浄財)は貧者と困窮者、ザカー(の徴収)に携わる者、(それによって)心に親愛が生まれそうな者、奴隷の解放、債務に苦しむ者、アッラーの道にある者、そして旅人に与えられる。(それは)アッラーからの義務である。アッラーは全てをご存知で、かつ英知溢れるお方。,(クルアーン9:60)
● ザカーを受給する資格のある者の数:
偉大かつ荘厳なるアッラーはその英知により、遺産相続の場合のようにその対象者と義務付けられた配当分の両方を明示されることもありますし、またズィハール[1]や誓いの贖罪の場合のように、義務の内容のみを明示してその対象者には触れられないこともあります。あるいはまたザカーの受給に関する場合のように、対象者のみを明示して義務付けられた配当分には触れられないということもあるのです。
以下はその、ザカーの受給資格を有する8種類の者に関する説明です:
1-貧者:生活必需品を全く、あるいは不十分な形でしか所有しない者。
2-困窮者:生活必需品の大半を所有する者。
3-ザカーに携わる者:ザカーの徴収人や管理人、分配人など。もし統治者によってその役職手当を受給している場合は、ザカーは受け取りません。
4-ザカーによって心に親愛の念が生まれそうな者:ムスリムであるかどうかを問わず、ザカーを施すことによってイスラームの改宗や悪の回避、あるいはイーマーンやイスラーム[2]の強化が望めるような一族の長や、あるいはそれに類する者。目的に沿う程度の量のザカーを施します。
5-奴隷の解放:つまり奴隷や、ムカーティブ[3]など。またここには戦争捕虜となったムスリムの解放も入ってきます。
6-借金苦にある者:これには2種類あります:
① 争いの仲裁ゆえに債務を負った者[4]:例え富裕者であっても、その債務に応じた分だけ与えられます。
② 自ら債務を負った者:債務を負い、それを返済出来ない者。
7-アッラーの道にある者:至高のアッラーの御言葉の興隆ゆえにアッラーの道において戦場で奮闘する者や、布教者などそれと同様の者たちのことです。もし彼らに給与がなかったり、あるいは収入が不十分でなかったりする場合にはザカーを受給することが出来ます。
8-旅人:旅に出たきり、自国に戻る手段が無くなってしまったような者。例え富裕者だったとしても、自国に帰れるに十分なだけの不足分を補ってやります。
● 上記の8種類の者以外は、ザカーの受給を受けることが出来ません。受給の優先権は、よりザカーを必要としている者に属します。
● ザカーは上記の内から1種類の者だけに集中して配給することも出来ますし、またその必要の範囲内で1人の者に集中して与えることも可能です。しかしザカーの量が沢山ある場合、様々な種類の者たちに分配することが推奨されます。
● 月給が20万円であっても、自らと自らの家族を扶養するためには30万円必要であるという場合には、その必要に応じてザカーを受給する権利があります。
● 自ら努力し、かつ探索してザカー受給にふさわしいと思われる者を見つけザカーを支払ったものの、その後実はその者がザカー受給の権利を有しない者であることが判明した場合でも、そのザカーは有効と見なされます。
● ザカーのための財を運営して増加させること:
義務のザカーとして集められた財産は迅速にザカーの受給者に分配されなければならず、ある個人や団体の利益のために運営したり、商売に利用したりしてその分配を遅らせてはなりません。もしザカーによる財産でなければ、それを商売に利用しようと慈善分野に使用しようと、問題はありません。
● ザカーを受給するのが許される者:
以下の者たちのためにはザカーの使用が可能です:
1-義務のハッジ(大巡礼)を行いたいが経済的余裕のない者。
2-ムスリムの捕虜の解放のため。
3-自らの貞淑のために結婚したいが、その余裕のない者。
4-故人の借金の返済のため。
また貧者に対して債権を有する者は、それをもって借金返済に充てるようにという相互間の合意がないことを条件に、自分のザカーを彼に与えることが出来ます。借金を免除してやり、それをザカーと見なすことは出来ません。
また困窮者へのサダカ(任意の施し)は文字通り1つのサダカですが、貧しい親族へのサダカはサダカと近親への善行の2つの行いとなります。
5-学徒。本来働いて稼ぐ能力を備えている場合であっても、学問に従事する者はザカーの受給が可能です。というのも学究はアッラーの道における奮闘の一種であり、その利益は他人にまで及ぶからです。
尚ザカーは、そもそも扶養の義務がない近親の者‐兄弟姉妹や父方と母方の叔父・叔母、伯父・伯母など‐に施すのがスンナです。
● 両親や子供、配偶者へのザカー:
1-両親あるいは祖父母などそれ以上の世代の者、また子供や孫などその後の世代を含む者の内で債務やディヤ(血債)を抱えている者に対しては、ザカーを施すことが出来ます。
2-債務や贖罪の義務などを抱えている妻に、夫がザカーを施すことは可能です。一方妻は、夫がザカーを受給する資格のある者でない限り、彼にザカーを払うことが出来ません。
● ザカーを受給することが許されない者:
1-ハーシム家と彼らに仕える者たちは、その高貴さを讃える意味からザカーの受領を許されません。というのもザカーは人々が自らを清めるために拠出した汚れのようなものであり、彼らがそれを受け取るのはそぐわないからです。
2-非ムスリムには、そうすることでその「心にイスラームに対する親愛の念が生まれること」が見込めるのでない限り、ザカーを施すことは許されません。また奴隷は、ムカーティブ[5]でない限りザカーを施すことは出来ません。
3-ザカーに携わる者や、ザカーによって心に親愛の念が生まれそうな者、あるいはアッラーの道において奮闘する者や自国へ帰る手段のない旅人でない限りは、富裕者にザカーを施すことは出来ません。
尚富裕者とは:現存する財産や、あるいは商工業などによって、自らと自らが扶養する者を1年通して十分賄うことの出来る者のことです。
● ザカーを受給した者が言うこと:
ザカーを受給した者は、施した者に対してこう言うことがスンナです:「アッラーよ、彼らにご慈悲を。」(アル=ブハーリーとムスリムの伝承[6])
あるいはこう言います:「アッラーよ、何某の系譜にご慈悲を。」(アル=ブハーリーとムスリムの伝承[7])
またこう言っても良いでしょう:「アッラーよ、彼と彼のラクダに祝福を。」(アン=ナサーイーの伝承[8])
● ザカーを伝えること:
ザカーを施そうとする者は、もしある者がザカーの受給資格を備えており、かつそれを受け取ることを知っている場合、それがザカーであるということを伝えずに渡すようにします。但しその者にザカー受給の資格があるか、あるいはザカーを受け取るかどうかを知らないような場合には、ザカーであることを伝えるようにします。
[1] 訳者注:詳しくは「婚姻」の章の「⑥ズィハール」の項を参照のこと。
[2] 訳者注:詳しくは「タウヒードとイーマーン」の章の「イスラームとイーマーン」の項を参照のこと。
[3] 訳者注:主人に奴隷身分から解放してもらうことを条件に、合意した期限までに自ら身代金を支払う約束をした奴隷身分の者。
[4] 訳者注:例えば財産ゆえに争いを始めようとしている2つの集団を調停する目的で、自ら財産を調達して両者に与えることにより債務を負ってしまうような場合です。
[5] 訳者注:主人に奴隷身分から解放してもらうことを条件に、合意した期限までに自ら身代金を支払う約束をした奴隷身分の者。
[6] サヒーフ・アル=ブハーリー(4166)、サヒーフ・ムスリム(1078)。
[7] サヒーフ・アル=ブハーリー(1497)、サヒーフ・ムスリム(1078)。
[8] 真正な伝承。スナン・アン=ナサーイー(2458)。