การเช็ดบนรองเท้าคุฟ
5-(ウドゥー[1]の際に)靴下の上を撫でるだけで済ませること
● (ウドゥーの際に)靴下の上を撫でるだけで済ませることが許される期間:
居住者は1昼夜、旅行者は3昼3夜の間、(ウドゥーの際に足を洗わず)靴下の上を撫でるだけに留めることが出来ます。靴下の上を撫でるだけで済ませることが許される期間は、その靴下を履いてから最初にその上を撫でた時点から始まります。
アリー(彼にアッラーのご満悦あれ)は言いました:「アッラーの使徒(彼にアッラーからの平安と祝福あれ)は(靴下の上を撫でるだけで済ませることが許される期間を)旅行者には3昼3夜、居住者には1昼夜の間としました。」(ムスリムの伝承[2])
● 靴下の上を撫でるだけで済ませることが許されるための条件:
靴下として履いている物が合法的なものであり、清浄であり、また既に清浄な状態にある足に装着されていなければなりません。また靴下の上を撫でるだけで済ませることは、定住者と旅行者に各々定められた期間内に発生した小さな穢れ[3]にのみ適用されます。
● 靴下の撫で方:
両手を水につけ、右手で右足の靴下の上部を、指先の辺りから脛の方へと向けて一気に撫でます。その際、足の脇や裏は撫でません。そして左足も、左手を用いて同様に撫でます。
● 1日の昼間を靴下を撫でて過ごした旅行者が定住状態に入った場合、定住者として引き続き1夜の間靴下を撫でるだけで済ますことが出来ます。一方靴下を撫でて1日の昼間を過ごした定住者が旅行に出る場合、旅行者として引き続き2昼3夜の間靴下の上を撫でるだけで済ませることが出来ます。
● 以下の事柄により、靴下の上を撫でるだけで済ますことは出来なくなります:
1- 靴下を脱ぐこと。
2- 不浄な状態など、グスル[4]が必要になった時。
3- 靴下を撫でるだけで済ますことが許される期間が終了した時。
一方ウドゥー自体が無効とならない限り、靴下の上を撫でるだけで済ませることが許される期間が終了しても清浄な状態は継続します。
● ターバンやヒジャーブ(ヴェール)の撫で方:
必要ならば男性はターバンを、女性はヒジャーブを(ウドゥーの際脱ぐことなく)撫でるだけで済ますことが出来ます。その際ターバンやヒジャーブの大部分を撫でなくてはならず、かつそれらを身体が清浄な状態で着用していなければなりません。
アムル・ブン・ウマイヤ(彼にアッラーのご満悦あれ)は言いました:「私は預言者(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)が(ウドゥーの際に)ターバンと靴下の上を撫でるだけで済ませるのを見ました。」(アル=ブハーリーの伝承[5])
● 靴下、靴、ターバン、ヒジャーブなどは大小の排便や睡眠などを原因とする小さな穢れの場合、ウドゥーの際その上を撫でるだけで済ませることが出来ます。しかしそれらを撫でるだけで済ませる期間内に大きな穢れ[6]の状態に陥れば、その際は体全身をグスルしなければなりません。
● ギブスの撫で方:
ギブスや包帯などは、それを外しても問題が無くなる時期までその上を撫で続けることが出来ます。この場合、例えその装着期間がどれだけ長く伸びても、あるいは例えその間大きな穢れの状態に陥ったとしても、あるいは例えそれらを身体が清浄な状態において装着していなかったとしても、問題はありません。
● 傷はその上に何も巻いたり貼り付けたり覆ったりしていない場合、(ウドゥーをする際には)水で洗わなくてはなりません。もしそうすることで患部の状態が悪化するようであれば、水で撫でるだけで済ませます。そしてもしそうすることすらも有害であれば、タヤンムム[7]を行います。そしてもし傷が何かで覆われている場合、(ウドゥーをする際には)その上を水で撫でるだけで済ませます。もしそれも出来ないようであれば、タヤンムムをします。
● ムスリムの福利のためなどにおいて、上記の衣服類の脱着に困難を見出すような仕事に従事する旅行者は、通常の規定期間を超えて靴下などを撫でるだけで済ませることが出来ます。
[1] 訳者注:イスラームにおいて定められたある一定の形式における、心身の清浄化を意図した体の各部位の洗浄。
[2] サヒーフ・ムスリム(276)。
[3] 訳者注:「小さな穢れ」とは、排便、放屁、熟睡や失神や酩酊などによる一時的な分別の喪失などによって陥る状態のことです。
[4] 訳者注:詳しくは「7.グスル」の項を参照のこと。
[5] サヒーフ・アル=ブハーリー(205)。
[6] 訳者注:「大きな穢れ」とは、精液の発射、性交、月経や産後の出血などによって陥る状態のことです。
[7] 訳者注:詳しくはこの章の「8.タヤンムム」の項を参照のこと。