മയ്യിത്തു കുളിപ്പിക്കല്
②遺体の洗浄
● 誰が遺体を洗浄するか?
1-遺体を洗浄するのに最も適当な者は、遺体の洗浄に関するスンナ[1]に最も通じた者です。その行いによってアッラーの御顔を希求し、遺体をきちんと覆い、洗浄の際に目にするかもしれない好ましくない物事を口外することを控えるのならば、遺体の洗浄に携わる者には偉大な報奨があることでしょう。
2-言うまでもなく、男性の遺体の洗浄において優先されるのは①故人がそう依頼した者、次いで②父親、次いで③祖父、次いで④それ以外の最も近い父系の親族男性、次いで⑤最も近縁の母系親族の男性です。また女性の場合も同様に、①故人が依頼した者、次いで②母親、次いで③祖母、次いで④最も近い親族の女性に優先権があります。また夫婦が配偶者の遺体を洗浄することは許されています。
尚性別は問わず、全身を隈なく1回洗えば遺体の洗浄は行われたことになります。
● 遺体の洗浄には洗浄を行う者と、それを手伝う者が立ち会います。それ以外の者がその場に立ち会うのは、厭われるべきことと見なされます。
● 焼死体の洗浄:
1-ムスリムとそれ以外の者が一所で焼死し、彼らの間の区別がつかないような場合には、彼らの内のムスリムだけを意図しつつ全ての遺体を洗浄して死に装束に包み、葬儀のサラーを行ってから埋葬します。
2-焼け焦げや分断などの理由で遺体の洗浄が不可能だったり、あるいは水がなかったりした場合は、洗浄もウドゥー[2]もタヤンムム[3]もしないまま死に装束に包んで葬儀のサラーを行います。
また遺体の全部分が揃わない場合、片手や片足など揃う遺体の一部分だけをもって葬儀のサラーを行うことが可能です。
● 7歳に達していない男女の子供の遺体は、男女を問わず洗浄を執り行うことが出来ます。また男性が親族でもない女性しかいない場所で亡くなったり、また女性が親族でもない男性しかいない場所で亡くなったり、あるいは洗浄が物理的に不可能だったりした場合は、洗浄抜きで葬儀のサラーを行い、埋葬します。
● アッラーの道における戦いで殉教した者は、その遺体を洗浄しません。それ以外の殉教者は遺体の洗浄を行います。
● 非ムスリムの遺体を洗浄することに関して:
ムスリムが非ムスリムの遺体を洗浄したり、死に装束に包んだり、葬儀のサラーをしたり、その葬儀に参加したり、埋葬したりすることは禁じられています。もし誰もその遺体を埋葬する他の親族がいなかったりしたら、遺体をそのまま埋めるようにします。また例え親族であっても、非ムスリムの故人の葬儀に参加することは合法ではありません。
● 遺体の洗浄の仕方:
遺体洗浄の際には遺体を洗浄用の台の上に置き、そのアウラ[4]をあらかじめ覆ってから衣服を脱がせます。そして遺体の上半身を片腕で支えて半分ほど持ち上げた形にし、もう一方の腕を用いて‐残留物を排泄させるべく‐腹部を優しく揉みしごきます。それから(局部に)水を沢山注ぎ、粗めの紙や手袋などを装着した手でもってそこを洗浄します。
遺体洗浄のニーヤ(意図)を立てるのは、その後のことです。
先ほど使用したものとは別の紙や手袋を着けた手でもって、サラーのためにするようなウドゥーを施すことが勧められます。その際鼻と口には水を入れず、濡らした2本の指をその両方に入れるだけに留めます。
それから水とスィドル[5]、あるいは石鹸で頭部、あごひげ(男性の場合)、そして体の右半身を首から足へと洗っていきます。そして遺体の左側を下にして横にし、今度は体の右半身の裏側を洗います。右半身が終わったら、左半身も同様にして洗浄します。
このようにして1回洗い終えたら、同様にして2回目、3回目と洗います。もし3回洗っても汚れが落ちない場合は更に洗いますが、その際は奇数回で終えるようにします。尚最後の回には樟脳、あるいは香水を混ぜた水で洗浄します。またもし遺体の口ひげや爪が伸びていたりしたら、切ってやるようにします。尚洗浄の後はタオルなどで拭きます。
一方女性の髪の毛は3つに分けて縛り、それを後方に垂らすようにします。
もし排泄物が出てきたらその部分を洗浄し、ウドゥーさせます。そして排泄口を木綿などで覆うようにします。
[1] 訳者注:預言者ムハンマド(彼にアッラーの祝福と平安あれ)の言動や、彼の認証したこと、及び彼の性質的・形質的諸特徴のこと。ムスリムは可能な限り、彼のスンナを踏襲するべきであるとされています。
[2] 訳者注:イスラームにおいて定められたある一定の形式における、心身の清浄化を意図した体の各部位の洗浄。
[3] 訳者注:「タヤンムム」とは、水が存在しなかったり、あるいはそれが正当な理由で使えないような状態にあったりする時、砂や埃を水の代用物として体を清浄な状態にすることです。クルアーンの4章43節参照のこと。
[4] 訳者注:「アウラ」とは人前で晒してはいけない体の部位で、男性のアウラはへそから両膝までで、男性に対する女性のアウラは顔と両手を除く全身ですが、その他にも諸見解があります 。
[5] 訳者注:中東地域一般に分布する植物で学名は「Ziziphus spina-christi」、ナブク、キリストイバラ、インドナツメなどの名称で知られます。